2009年10月24日

ラスト(木型)の考察 その1

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最近、掲載したラストについての記事が面白かった!という声が多数寄せられました。
改めて考察してみようと思います。
通常目にすることの無いものですが、ブーツ造りにおいては、そのラストに革を巻き付けてブーツ自体を作っていく訳ですから、そのカタチがすべてを決めていくと言っても過言ではないでしょう。
上質でオイルのたっぷり入ったレザーは熟練の職人達に見事に縫い合わされてラストに巻かれていきます。
このラストでサイズがきまり、またWesco独特のカーブが付き、Wescoらしいシルエットが完成します。
ラストはブーツの完成まで内部にとどまり、その後ミッドソールやソール、ヒールと職人の手によって打ち込まれていきます。
また特にステッチダウン製法ではソールのリペア時にWesco社で使用しているラストが無ければサイズや履き心地が変わってしまう非常に重要なパーツと言えます。
とまあ前口上はそれぐらいにして、単純に見比べてみましょう!
左からNo1が基本となるボストゥのラストです。2番目がロアヒール、3番がMPトゥとなります。サイズは同じです。
つま先のカタチとその反り上がり具合、土踏まずのカーブにその違いが見てとれると思います!
ちなみにMPトゥもロアヒールになりますが、そのつま先の尖り具合と厚みはそのラストを見比べると違いは一目瞭然だと思います。
最近、なにかと話題の"Narrow Wesco Engineer Boots"もつま先のカタチはこのMPトゥを参考に調整し、それだけではロアヒールになるので踵側は全く別のものに交換しながら全体を微調整して完成させた渾身のラストです。

ラストの話は面白いですか?面白ければまたメールかスタッフにでもお伝え下さい!
反響があれば2回目もあるかもです!

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posted by Wesco Maeda at 10:50| 東京 ☀| Wesco Boots. | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする