最近は突然の雨が多く、出掛ける際に傘を持って行くかいかないか、服装は?はたまた交通手段は?と色々悩まされている方も多いと思います。そんな時でも僕らの足元は決まってWESCOブーツであり、普段は当たり前過ぎて忘れていますが、防水性の高さによる恩恵を受けています。よくよく考えてみるとどんな靴を履いて出掛けるか?という悩みからは解放されていることに気付かされます。
WESCO社が頑なまでに守り続けるアメリカのワークブーツの伝統と呼べるステッチダウン製法は、そのシンプルかつ強固な造りでソールの剥がれへの強さだけでなく気密性の高さを生み、この製法こそが少々の雨にはびくともしないWESCO製のブーツたる所以とも言え、そこには多くの理由があります!
良い機会ですので今回は改めてステッチダウン製法のことを詳しく紹介していきたいと思います。
ブーツをカットした断面を見ると、まずは特に痛み易いヴァンプ(つま先)とカウンター(かかと)にとても肉厚な革を2枚使用しているのがわかりますね。それだけでも他ではなかなか見ることの出来ない製法で強度は比較になりません。さらにステッチダウン製法の仕組みが詰まったヴァンプ(つま先)を拡大してみます。
2枚の革の間に型崩れを防止する樹脂を挟んだ構造で、内側の革はインソール内に巻き込み、外側の革がそのまま引っ張り出されてミッドソール、さらにはビブラム社製のラバーソールにまで直接縫い合わされています。上からすっぽりカバーをしているような状態で水が入りそうに無いのは明らかでしょう!さらに、写真の断面は#100ソールが付いていますが、靴底のラバーソールの上にとても厚さのあるミッドソール→同じ厚みのインソール→スリップインサート(中敷き)と積み重なり、地面から足が直接触れる中敷きまでは、つま先部分で何と約3cm!にもなります。ダブルミッドソールになると、さらに厚みが増すのです。これほど厚みのある素材を一つ一つ、本物のハードワーカー達が履き込むことのできる強度で作り上げているからこそ、足馴染みが良くクッション性に優れ、高い耐久性を兼ね備えたブーツとなるのです。
大量生産には向かず手間の掛かるWESCOのステッチダウン製法ですが、ウエスコブーツを製造しているオレゴン州は乾季と雨季に分かれ非常に雨の多い地域であり、そんな土地柄、防水性と耐久性に優れたブーツは必需品であり、必然とも言える製法なのです。